最近は不動産の広告などでも目にする「デザイナーズ住宅」という言葉、これには特に決まった定義がある訳ではありません。
ざっくりとしたイメージとしては「建築家が携わったモダン系でかっこいい家」のような感じでしょうか。
最近は不動産の物件検索にも「デザイナーズ住宅」「デザイナーズ賃貸」のような言葉が設定されていますので、定義がはっきりしない割に多くの人に認知された言葉になっているようです。
今回は、その「デザイナーズ住宅」を建てたいと思っている方に、注意して欲しいポイントを書いていきます。
◇実用性を無視しない
たとえば、内装がすべてコンクリート打ちっ放しの住宅は、寒くて住めません。
繊細で細い空中に浮いているような鉄骨階段は、登り降りするたびに揺れます。
壁一面の全面ガラスは、よほど日射、断熱に気をつけないと空調費用がとんでもない金額になります。
かっこいいデザイン、インパクトのあるインテリアも良いかもしれませんが、毎日の生活が苦痛では家を建てた意味がありません。
◇スケール感が大事
天井高がもの凄く高いリビング、すべての壁を無くし一室にした間取りなど、今までに無い設計でインパクトを与える家もあります。
「スケール感を喪失させてインパクトを与える」というデザイン手法は、店舗などの設計では有効だと思いますし、非日常性を求める山小屋、別荘、旅館などでも、面白い手法かもしれません。
しかし、そういう設計の家が、毎日生活する家に必要なのかどうかについては疑問があると思います。
住宅デザインに見た目のインパクトを求めすぎるのは、お薦めできません。
◇流行のデザインを取り入れすぎる
インテリア、エクステリアのデザインには流行があります。
店舗のデザインはお客様に飽きられないために、最新の流行手法を取り入れ、外観、内装を頻繁にリニューアルしています。
しかし、住宅は一度建てれば、何十年もそのまま使うものです。
最新のデザインも良いですが、長く住んでも古びない、普遍的な魅力のあるデザインを目指すのが良いと思います。
設計のプロである建築士であれば、上記のことは基本的な知識として頭にあるのですが、たまに「デザイン優先で突っ走る」建築家もいます。
かっこいいデザイナーズ住宅を建てたいという人も、デザインと実用のバランスがとれた設計を行う建築士を選ぶようにして下さい。