建築士から自分で家を建ててみたいという人へのアドバイスを書いていきたいと思います。
まずは、気をつけて欲しいポイントを挙げていきます。
建築法規制を甘くみないこと
住宅建築に関する規制、法規は毎年のように変わっています。
そしてその内容は、どんどん厳しくなってきています。
数年前には問題無かったことが、今は規制で禁止されている・・・そんなことは決して珍しくありません。
また、建築に関する法規制には、自治体の条例など「地域差」もあります。
他人のブログを参考にするのは良いですが、「数年前、どこか別の場所で出来たこと」が、今、あなたにも出来るとは限らないと思ってください。
テレビ番組、マスコミの情報を信用しない
テレビや雑誌の記事では、当然、セルフビルドで「良かったこと」を中心に採り上げます。
「苦労したこと」「失敗したこと」がクローズアップされることはないでしょう。
また、建築法規的に問題のあることも、結構平気で採り上げられていたりします。
いくらテレビや雑誌をみて面白そうだからといっても、それらの情報を鵜呑みにしないようにして下さい。
コスト削減を目的にしないこと
基本的に、セルフビルドすることによって「家を建てるコスト」は、安くならないと思っておいて下さい。
たとえあなたの大工技術がプロ並だとしても、建築資材の調達、大工道具、機械の用意、法規制への対応を考えると、トータルコストが安くなることは、ほぼ無いでしょう。
それでもセルフビルドで家を建てて見たい人に、「現実的なセルフビルドの方法」について、書いていきます。
ハーフビルドハウスを利用する
ネット検索で「セルフビルド」「ハーフビルド」などの用語を探すと、幾つもサポート業者がヒットすると思います。
ログハウス、輸入住宅、ユニット式の住宅など・・・自分で家を建てたいという人は、これらの会社にサポートをして貰えば、家が建てられるかもしれません。
スケルトンリフォーム
リフォームといっても、内外装、ほぼすべての部分を更新すれば、新築と同じ仕上がりになります。
割安な中古住宅を購入してスケルトンリフォームというのも良いかもしれません。
ただ、気をつけて貰いたいのは、壁、柱、床、はり、屋根、階段などの「主要構造部」についての変更は、安易に行わないことです。
「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」は、確認申請が必要になってきますので、御注意下さい。
また、分譲マンションのスケルトンリフォームは「資材の搬入」「工事中の騒音」「管理規約との整合性」など、解決すべき課題が幾つかありますので、御注意下さい。
建築士、施工会社とセルフビルド
家の基本構造までの工事を建設会社が行い、最後の仕上げを施主が自ら行うという方法です。
これについて、最近では「新築DIY」という用語もあるようです。
この方法は、設計段階から自由に家が建てられますので、思い通りの家を作るには一番手軽な方法かもしれません。
但し、いくら自分で内部仕上げを行っても、あまりコスト削減には繋がりませんので、その点は、御了承ください。