※写真はLIXILのシステムバスです
神戸から大阪にかけては、山と海の間が狭いので、眺望の良い住宅地が多くあります。
特に神戸、芦屋、西宮では、六甲山に沿って住宅地が広がっているので、南に広く開けた土地が多くあります。
坂道が多いのは困りますが、海が見える、夜景が綺麗・・・という眺望の開けた住宅地が選べるのは、このエリアの魅力ですね。
今回は「自宅に展望風呂を作る」という内容について書いていきたいと思います。
・・・コラムのテーマは「展望風呂」なのですが、今回は、まず最初に「住宅のお風呂」全般について、説明させて頂きたいと思います。
日本の住宅のお風呂については、木の土台の上にお風呂を作り、タイル張りなどで防水を行う「在来工法」が主流でした。
タイルで防水をするお風呂では、以下のような問題が避けられませんでした。
◇耐久性に問題がある
ひび割れなどで水漏れの危険がある。
水を使う場所なので湿気で下地が腐る。
長年使っているうちに根太が腐り床が傾くこともある。
◇汚れがとれない
目地などにどうしてもカビ、水垢がつく。
一度汚れると、なかなか取れない。
元々水気が切れにくい素材(目地のあるタイル、水を吸いやすい木など)を使っているので、カビが生えやすい。
長く使うと、掃除が大変。
◇保温性が低い
タイルなどで作られた浴室は、断熱性がない。
風呂場全体がなかなか暖まらず、どうしても冬に底冷えする。
床も冷たい。
これらを解消するために考えられたのが、現在のユニットバスです。
デザイン的には素っ気ないと思われているユニットバスですが、住宅設備としての機能的必然性として開発され、進化してきたものです。
元々、日本の住宅における浴室の間取りは、1階で陽当たりの悪い方向に向けられる場合が殆どでした。
家の隅に追いやられていた浴室を、日当たりの良い2階あるいは3階に設置出来るようになったのは、ユニットバスなど防水に関する信頼性が高くなったためです。
もうひとつ、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、水に強く、しっかりした構造の住宅が建てるられるようになったことも、2階3階のお風呂が安全に使えるようになった理由ですね。
マンションで水回りが安心して使えるのも、防水技術の進歩と構造の安定性があるからだと言えると思います。
上記を踏まえまして、展望風呂を考える上で、まず考えておいて欲しいのは「バスルームを安全にしっかりと作る」「建物自体しっかりした構造を選ぶ」ことです。
展望風呂として2階あるいは3階にお風呂を作る場合、「防水をしっかり」「構造をしっかり」というのが、基本的な条件になります。
展望風呂というと、まず、バスルームのデザインに目が行きがちだと思いますが、まず、これらの点を押さえてください。
眺望のひらけた土地に家を建てるのでしたら、展望風呂は魅力的なアイテムになると思います。
構造や間取りなど、基本的なところが重要になりますので、プラン作成前に建築士に要望を伝えるようにして下さい。